今日は雨のち曇り。
朝から空はどんよりしていたけれど、気温は涼しくて過ごしやすい。
窓を開けると湿った風が入ってきて、なんとなく落ち着く。
こういう日は嫌いじゃない。
むしろ少し好きだ。
世の中には「快晴こそ正義」みたいな空気もあるけれど、自分は雨の日の静けさにもなかなか魅力を感じる。
雨音には余計なことを考えなくて済む効果がある気がする。
といいつつも、正確には考えている自分がいる。
相変わらず考えすぎている。
ただ、雨音がそれをうまく包み込んでくれるのだ。
そんな日曜日。
今日はサッカーワールドカップ、日本 対 チュニジア戦の日。
キックオフは13時。
ちょうどお昼どきである。
これはもう、ご飯を食べながら応援するしかない。
スポーツ観戦というのは不思議なもので、応援する側は何もしていないのに妙に気合いが入る。
選手たちは世界を相手に戦っているというのに、こちらは台所で焼きそばを作りながら「今日は勝てよ!」などと偉そうなことを思っている。
まずは焼きそば。
ソースの香りというのは反則だと思う。
あの匂いをかぐだけで食欲が三割増しになる。
屋台の焼きそばもそうだし、お祭りの記憶もそうだし、なんとなく楽しい気分まで一緒についてくる。
そしてもう一品。
YouTubeで見かけた「無限小松菜」を参考にして、「小松菜とさきいかと塩昆布の炒めもの」を作った。
“無限”という言葉が付く料理は世の中にたくさんある。
無限キャベツ。
無限ピーマン。
無限もやし。
わかってはいる、無限じゃない。
ちゃんと有限である。
だが、その名前を付けたくなる気持ちは分かる。
食べ始めると止まらないからだ。
今回の小松菜もなかなか優秀だった。
さきいかの旨味と塩昆布の塩気がいい仕事をしている。
小松菜というと脇役のイメージがあるが、今日は完全にスタメンだった。
焼きそばと小松菜。
なんとも庶民的な布陣である。
しかしサッカーで言えば堅実な4-4-2くらいの安心感がある。
派手さはないけれど信頼できる。
そんな昼ごはんになった。
そして13時。
いよいよキックオフ。
前回のオランダ戦は明け方だった。
眠い目をこすりながら観戦していたので、途中からサッカーを見ているのか夢を見ているのか分からなくなっていた。
人間、睡眠不足だと判断力が著しく低下する。
「あれ?今のゴールだったっけ?」
と思ったらリプレイだったりする。
今回は違う。
昼間である。
しかも焼きそば付き。
コンディションは万全だ。
選手だけじゃない。
応援するこちら側もベストコンディションである。
試合はあっという間だった。
気が付けば日本が4得点。
4対0。
しっかり勝利。
やっぱり点が入る試合は楽しい。
もちろん0対0の緊張感や、守備戦の面白さもあるのだろうけれど、素人観戦者としてはゴールが決まると単純に嬉しい。
「おおー!」
と言える回数が多いほど楽しい。
人生もたぶんそんなものだ。
大きな成功じゃなくても、
美味しいコーヒーが飲めたとか、
読みたかった本が見つかったとか、
焼きそばがうまくできたとか、
そういう小さな「おおー!」が多い方が幸せなのかもしれない。
そう考えると今日はなかなかの得点日だった。
焼きそばで1点。
小松菜で1点。
日本代表で4点。
合計6点。
かなり勝っている。
ところで最近は動画も映画もドラマも、気付けば何かしらのサブスクに入っている。
便利な時代だ。
自分もずいぶんお世話になっている。
ただ、その一方でワールドカップのような大きな大会を地上波で見られるのはありがたいなと思う。
テレビをつければ誰でも見られる。
特別な契約もいらない。
ログインもいらない。
パスワードを忘れて困ることもない。
「この試合見ようかな」
と思った人が、そのまま見られる。
こういう間口の広さはやっぱりいい。
家族で見たり、友達と見たり、たまたまテレビをつけた人が盛り上がったり。
スポーツにはみんなで共有できる楽しさがある。
そんなことを思いながら、試合後、空になった皿を片付けた。
雨は少し弱くなっていて、窓の外は明るくなり始めている。
特別な旅行に行ったわけでもない。
何か大きな出来事があったわけでもない。
でも、美味しい昼ごはんを作って、サッカーを見て、日本が勝って。
それだけで十分いい日だった。
幸せというのは案外こういうところに転がっているのかもしれない。
見落とさないように拾っていきたいものだ。
そして、今日もヒゲをととのえる。
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■参考にした「無限小松菜」YouTubeの動画
一度食べたらやめられない!笠原流【無限小松菜】の作り方



































