ブログを始めた。
まだ始めたばかりだし、記事数だってそんなに多くない。
なのに最近、妙に気になる言葉がある。
「今はnoteが主流らしい。」
SNSやネットの記事を眺めていると、ちらほら見かける。
どうやら人の目にもつきやすいらしい。
書いたものを読んでもらうには、その方がいいのかもしれない。
そんなことを思いながら、私は今日も自分のブログ更新のためにキーボードを叩いている。
なんだろう。
せっかくブログを始めたのに、もう別の場所が気になっている。
私はマルチタスクが苦手だ。
できれば一つのことに集中して、それが終わったら次のことをやりたい。
カレーを食べている途中でラーメンのことは考えたくないし、ラーメンを食べると決めたらカレー屋のメニューは見たくない。
ところが人生というやつはそう簡単ではない。
仕事をしていても、AをやりながらBを考え、Bをやっている途中でCの連絡が来る。
頭の中では常に「あとでやることリスト」が行列を作っている。
だから本当は一つずつ片付けたい。
しかし不思議なことに、自分が作業すること以外になると急に落ち着きがなくなる。
ブログを書いているとnoteが気になる。
noteを始めたら今度は「今は動画の時代ですよ」と誰かが言う。
そして、また別の誰かが「これからはAIです」と教えてくれる。
忙しい。
世の中は私を落ち着かせる気がない。
まるで商店街を歩いているみたいだ。
八百屋のおじさんが「今日はトマト安いよー」と呼びかけている横で、魚屋のおじさんが「サンマ見ていって!」と叫んでいる。
その向こうでは焼き鳥のいい匂いが漂ってくる。
気がついたら最初に何を買いに来たのか忘れている。
たぶんインターネットも似たようなものなんだろう。
あっちも楽しそう。
こっちも良さそう。
みんな魅力的に見える。
だから目移りする。
人間らしいといえば人間らしい。
そう考えると、ブログを始めたのにnoteが気になっている自分も別におかしくはない。
きっと昔の人も似たようなものだったんじゃないだろうか。
畑を耕していたら隣の村の祭りが気になったり。
魚を獲りに行ったら山菜採りが楽しそうに見えたり。
人類は昔から「隣の芝生は青い」という才能だけは磨き続けてきた気がする。
そんなことを考えながらコーヒーを飲む。
ヒゲをさわる。
パソコンを見る。
そして気づく。
今こうして悩めているのも、ブログを書いているからだ。
もし本当にブログが嫌だったら、noteがどうとか考える前に、とっくにやめている。
続けているということは、なんだかんだ好きなのだ。
好きだから迷う。
好きだからもっと良い方法がないか探してしまう。
そう考えると、この「目移り」も悪いことばかりじゃないのかもしれない。
もちろん、そのうちnoteもやるかもしれない。
やらないかもしれない。
半年後には全然違うことを言っているかもしれない。
でも今はブログを書いている。
そして今こうして一つ記事が増えた。
それで十分だ。
未来のことは未来の自分に任せよう。
あの人は意外と何とかする。
少なくとも今までだって何とかしてきた。
だから私は今日も、とりあえず目の前の文章を書く。
noteが気になってもいい。
焼き鳥の匂いに釣られてもいい。
大事なのは、結局どこかにはちゃんと座ってご飯を食べることだ。
ブログでも。
noteでも。
紙のノートでも。
自分が楽しく続けられる場所なら、それでいい。
そんなことを考えながら、今日もキーボードを叩く。
そして、今日もヒゲをととのえる。



































