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1時間早起きしたら、サンドイッチが少し美味しくなった話

今日はいつもより1時間早く起きてみた。

別に何かを成し遂げようと思ったわけではない。

「今日から朝活を始めます!」

みたいな意識高い宣言をするつもりもない。

ただ最近、生活が少しマンネリ化している気がしたのだ。

仕事柄、夜遅くまで作業することが多い。

仕事が終わってからようやく自分の時間が始まるので、本を読んだり、コーヒーを飲んだり、ネットを眺めたりしているうちに気づけば夜更かし。

そして翌朝、「あと5分だけ……」を3回ほど繰り返して起床する。

この流れがすっかり定番メニューになっていた。

それなら今日は少しだけ流れを変えてみよう。

そう思って1時間早く起きてみた。

結果から言うと、特別なことは何も起きなかった。

世界は救われないし、人生も劇的には変わらない。

宝くじも当たらない。

だが、サンドイッチが少し美味しかった。

これが意外と大事だった。

いつもの朝はPCを開きながらサンドイッチをかじり、コーヒーを流し込みながらメールを確認する。

食事なのか作業なのか自分でもよくわからない。

もはや給油である。

しかし今日は違った。

同じサンドイッチなのに、少しだけゆっくり食べられる。

コーヒーも「流し込む」ではなく「飲む」になっている。

たった30分、いや実際にはそれ以下かもしれない。

それだけで心の余裕というやつが生まれていた。

不思議なもので、人間は時間そのものよりも「急かされている感覚」に疲れているのかもしれない。

考えてみれば、僕は昔から時間に追われるのがあまり得意ではない。

締切は守る。

約束の時間にも行く。

社会人として最低限のことはやる。

しかし心の中ではずっとバタバタしている。

「あれもしなきゃ」

「これもやらなきゃ」

「そういえばあの件どうなったっけ」

そんな考えが頭の中を走り回っている。

以前、人間は1日に何万回も選択しているという話を読んだことがある。

朝起きる。

顔を洗う。

何を着る。

何を食べる。

どのメールから返す。

コーヒーを淹れる。

淹れない。

本を読む。

読まない。

考えてみると、人間は一日中なにかを選び続けている。

だから朝の30分は、その選択の波が押し寄せてくる前の静かな入り江みたいなものなのかもしれない。

そんなことをコーヒーを飲みながら考えていた。

たぶん考えすぎである。

まあ、それが趣味みたいなものだから仕方がない。

これから年齢を重ねていく中で、どんな生活習慣にしていこうか時々考える。

朝型にも憧れる。

本を読んでいると成功者はだいたい朝が早い。

朝4時起床とか書いてある。

もはや修行である。

僕にはまだその境地は遠い。

夜型人間が急に朝4時に起きたら、おそらく成功する前に眠くなる。

だからまずは今日くらいでいい。

1時間早く起きてみる。

朝のコーヒーをゆっくり飲む。

サンドイッチをちゃんと味わう。

それだけで十分な気がする。

人生を変えるほどの大きな習慣は続かなくても、気分を少し変える小さな習慣なら案外続くのかもしれない。

そしてもし続かなかったとしても、それはそれでいい。

ヒゲメガネは元々夜型なのである。

朝型になれなくても、せめて朝のコーヒーくらいは楽しみたい。

そんなことを思った朝だった。

明日も早起きするかどうかはわからない。

でも今日の朝は、なかなか悪くなかった。

そして今日も、ヒゲをととのえて一日をはじめる。

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