ブログを始めて数日。
本当は、このサイトにたまたま迷い込んできた誰かが、コーヒーでも飲みながら数分だけ読んでくれたらそれで十分だと思っていた。
いや、正確には今でもそう思っている。
だけど人間というのは不思議なもので、「誰にも読まれなくてもいい」と言いながら、アクセス解析の数字が1増えるとちょっと嬉しかったりする。
まるで本屋の片隅に小さなノートを置いておいて、「誰も読まなくていいですよ」と言いながら、こっそりページがめくられていないか確認しているようなものである。
そんなわけで、もう少しだけ人目に触れてもいいかなと思い、SNSを始めてみることにした。
問題は、SNSというものが昔から苦手だということだ。
考えすぎる人間にはSNSはなかなか難しい。
誰かが「今日は暑い」と投稿しているだけなのに、
「これは単なる気温の話なのか」
「人生の比喩なのか」
「何か社会的なメッセージが隠されているのか」
などと勝手に考え始める。
そして何も投稿できなくなる。
投稿ボタンの前で30分考えたあげく、結局コーヒーを淹れ直して本を読み始める。
そんな人間である。
少し調べてみると、SNSにもそれぞれ文化があるらしい。
Xは大きな繁華街のような印象だ。
面白い人もたくさんいるし情報も速い。
ただ、そのぶん人も多く、独特の空気もある。
今から飛び込むには少し勇気がいる。
一方でThreadsは、まだ比較的新しい町のように見えた。
もちろん人はいるのだけれど、どこかゆったりしている。
散歩の途中で立ち寄る公園くらいの距離感がある。
少なくとも今の自分には、そのくらいがちょうどいい気がした。
ということでThreadsのアカウントを作った。
そしてThreadsを始めるためにはInstagramが必要だったので、Instagramも作った。
本来なら「Threadsを始めた」という一行で済む話なのだが、その裏ではアカウント名を考えたり、プロフィール文を考えたり、アイコンを決めたりしているうちに気が付けば数時間経っていた。
考えすぎる人間は、SNSの登録画面ですら哲学を始めるのである。
「自分らしいプロフィールとは何か」
などと考え始めたら終わりだ。
SNSは自己紹介を書く場所なのに、こちらは自己紹介の意味について考え始めてしまう。
たぶん向いていない。
それでも作った。
向いているから始めるのではなく、向いていないから始めることもある。
知らない町へ出かけるようなものだ。
最初は地図もよく分からないし、どこに何があるのかも知らない。
それでも歩いてみると、思いがけない景色に出会うことがある。
このブログもそうだった。
最初はただの思いつきだったのに、気が付けば文章を書く時間が少し楽しみになっていた。
だからThreadsやInstagramも同じかもしれない。
しばらく歩いてみないと分からない。
もしかしたら誰とも話さず帰ってくるかもしれないし、面白い出会いがあるかもしれない。
どちらにしても、それはそれで悪くない。
というわけで、考えすぎるヒゲメガネ、SNSの世界にそっと足を踏み入れてみました。
見かけたら気軽に声をかけてください。
たぶん返事を書く前に少し考え込みます。そして返事を書かないかもしれません。…が、それは仕様です。
そして今日も、少しだけ世界を広げてみようかなと、ヒゲをととのえる。



























